離婚の基礎知識

近時の離婚件数と傾向

厚生労働省のデータによると、令和2年7月から令和3年6月までの1年間の婚姻件数が53万2804件であるのに対し、離婚件数は19万5053件でした(人口動態統計速報令和3年6月分)。結婚した夫婦の三人に一人は離婚するといわれる時代に、離婚という選択肢は決して珍しいことではありません。
女性が家庭を守り、男性が家計を支えていた時代には、離婚することは女性にとって経済的に大きなハードルがありました。しかし、近時は女性の社会進出に伴い、離婚に関して以前のように経済的な不安を感じずに決断しているケースが多いと感じています。
また男性も家事や子育てに積極的に参加するようになり、離婚の際に親権を争うケースが増えています。
離婚相談が多い年代は、結婚5年以内の婚姻期間が短い夫婦が多い一方で、子育てがひと段落し、定年退職前後の段階で、一度現在のパートナーと区切りをつけ、新しい人生を歩みたいと考えご相談に訪れる方も増えています。

離婚したい理由

裁判所の平成30年度司法統計によると、離婚調停の申立人側の理由として多く挙げられたのは下記の理由でした(申立人の動機のうち、主なものを3個まで挙げる方法で重複集計されています)。

妻側

1位 性格が合わない  18268件
2位 生活費を渡さない 13725件
3位 精神的に虐待する 1万1801件
4位 暴力を振るう   9745件
5位 異性関係     7348件

夫側

1位 性格が合わない  10438件
2位 精神的に虐待する 3370件
3位 異性関係     2373件
4位 家族親族と折り合いが悪い  2294件
5位 浪費する     2030件

夫側も妻側もともに「性格が合わない」という項目が、離婚理由として一番多く挙げられています。
配偶者の浮気や暴力等の決定的な事項が離婚理由になっているケースよりも、性格の不一致がもっとも離婚理由として多かったといえます。決定的な理由があるわけではないが、相手と一緒にいるのが辛い、相手への気持ちが冷めてしまったという理由でも離婚できているケースは沢山あります。
他方、離婚したくない場合に相手から離婚を求められている場合には、拒否できるケースも多いです。ご自身のケースで離婚可能か、又は離婚を拒否できるかについては、具体的な事情を伺った上でお話しさせていただきます。

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離婚の方法

離婚の方法としては、協議離婚調停離婚審判離婚裁判離婚の方法があります。年度にもよりますが、離婚が成立しているケースのうち、85%~90%ほどが協議離婚で解決し、次に多いのが調停離婚(8~10%ほど)、残りが審判離婚又は裁判離婚で解決しています。
平成30年度の司法統計によると、離婚調停の件数が40620件中、調停離婚の成立件数が20050件ですので、離婚調停を申し立てた件数の約半数が調停で離婚成立していることになります。
調停で離婚が成立しない場合には、審判離婚、裁判離婚と進むことが考えられます。離婚事件について、最終的に裁判で判決まで至るケースは少なく、離婚が成立した全体の数からみると、1%に満たないといえます。
離婚判決まで至るケースを除けば、多くの場合、当事者が離婚の条件について合意に至る必要がありますので、様々な方法で相手を説得することが重要といえます。説得の方法は、弁護士を間に入れて協議で進める方法、調停等を利用し、調停委員や裁判官を味方につけて相手を説得する方法、裁判で証拠を出し合い自己の主張を積極的に裏付ける方法等、様々な方法が考えられます。
離婚の方法は一つではなく、これまでの経緯、それぞれの家庭の事情や、相手方の性格に応じて最適な方法を選択することが、もっとも最短でよい結果を出すために重要といえます。

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離婚しないという選択

平成30年度の司法統計によると、離婚調停の件数が40620件中、10051件が調停不成立となっており、7094件が取り下げられ、1490件が婚姻継続する内容で調停が成立しています。取り下げの中には一部協議離婚が成立しているものがありますが、それでも相当数離婚をしないという選択をしていることがわかります。
相手から離婚を請求されたからといって慌てる必要はありません。特に婚姻費用を継続的に支払ってもらえるケースでは、すぐに離婚に応じるよりも「離婚しない」という選択をする方が、経済的にメリットが大きいこともあります。年金分割の点から見ても婚姻期間が長い方が受けられるメリットは大きいといえます。
お子さんがいるケースでは、お子さんの年齢や影響を考え、すぐに離婚をしない方がよいこともあります。
離婚するかどうかは、人生において大切な選択ですので、状況を冷静に見極め、冷静な判断をしましょう。

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